先日、QIXの動物病院向け経営セミナーにて動物病ついて動物病院に於けるコンプライアンスについてのwebセミナーの撮影が終わった。獣医師と弁護士のダブルライセンスをお持ちの永島先生との対談形式で行った。これだけ簡単に様々な情報が誰にでも得られるようになった今も獣医師の法令遵守の意識は３０年前とほとんど変わりなく、その答えの一つが、動物病院向けのの薬局であるのだけど、今回改めて永島先生と法律のことだけを１時間話してみてそれをまとめておこうと思う。
【QIX経営アカデミー】動物医療経営カンファレンス2022は以下のリンクより
https://www.qix.co.jp/posts/466
動物病院を営業するにあたり関連する法規は以下の通り。
- 獣医師法
- 獣医療法
- 愛玩動物看護師法（以降で取り上げるもの）
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律（いわゆる薬機法）
- 麻薬及び向精神薬取締法
- 動物の愛護及び管理に関する法律
- 薬剤師法
上記の法令に反すると行政罰（刑法犯罪）が与えられ、警察に捕まるという法律である。
今回はそのうち、最も重要な法律である獣医師法について記述する。
獣医師法の中でも１７条が最も重要な法律である。これは何が書いてあるかというと。
【獣医師法】
（飼育動物診療業務の制限）
第十七条 獣医師でなければ、飼育動物（牛、馬、めん羊、山羊、豚、犬、猫、鶏、うずらその他獣医師が診療を行う必要があるものとして政令で定めるものに限る。）の診療を業務としてはならない。
動物の診療、特に診断治療業務については獣医師の業務独占である。２０２２年６月に施行された愛玩動物看護師法は、この１７条の一部の業務を愛玩動物看護師の資格を持ったものが、例外的に業として行うことができるものである。農林水産省から愛玩動物看護師が行える内容の一部が具体的に記されているが、注意しなくてはいけないのがこれが許可されたということではなく、獣医師がその症例ごとにその動物に衛生的なリスク（動物にリスクがある処置はできないということ）がないことを確認し、監視を行った上でのみ可能であるということである。愛玩動物看護師法についてはまた別項で詳細に記す。当然であるが、愛玩動物看護師の資格を持たない者が１７条の範囲の業務を行うことは、言わずもがなである。
本条の違反は、二年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金（法27条1号）
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